ローコスト対応低銀はんだ付け材料
省資源・コスト低減を目的に開発した
低銀ソルダリングマテリアルをリリースしました。
低銀化の背景
鉛フリーはんだの来歴を振り返ると、日本では、2000年にJEITAがSn-3Ag-0.5Cuを鉛フリーはんだに推奨しました。この前後に、欧米でもSnAgCu系はんだが鉛フリーはんだに推奨されています。
2006年にRoHS規制がはじまり、日本ではこの期間に世界に先駆けて鉛フリーはんだの生産が開始され、SnAgCu系はんだの生産実績が積み上げられてきました。
一方で、近年の地金価格高騰により、実装におけるはんだ材料の占めるコストが切実な問題となってきました。そこで、JEITAにて「第2世代フロー用はんだ標準化プロジェクト」が発足、コスト低減かつはんだ付け性を確保できるフロー用はんだを検討し、2007年にフロー用低銀はんだを第2世代として推奨しております。

低銀系はんだの特性
低コストはんだとして、候補にあがったSnCuNiはんだの特性を下記に比較します。
1. 温度
低銀はんだは、Sn-3Ag-0.5Cuと同じ217℃の固相線温度を有し、SnCuNiの228℃より、約11℃も低く抑えられます。このため、実装温度を低く抑えられます。また、Niの添加は添加量の増加により、液相線温度が上昇します。Sn-0.7Cuに対して、0.05%以上Niを添加すると、250℃を超える液相線温度を有しますので、ブリッジへの懸念があります。
2. 濡れ性
Ag添加により、濡れ性が改善できます。特に基板が接触した場合などに起こる、はんだ温度低下時に、濡れ時間(基材との反応時間)に差がでるため、微量のAg添加により未はんだ、ブリッジなどの不良が起こりにくいことになります。
3. 機械的強度
Ag添加で強度改善が見込まれます。環境温度の変化により強度低下する為、製品耐熱温度に応じて使用する組成を検討する必要があります。
4. クリープ特性
Ag添加により、改善が見込まれます。長時間の負荷が加わるような状態が想定される場合はSnCuNiはんだは推奨できません。

フロー工法における低銀はんだ
コネクタやコイル等の大型実装部品の接合は、熱容量の問題から、リフローソルダリングでは均熱化が困難でフローソルダリングが適用されます。フロー工法には、溶融はんだの温度安定性が重要な条件になり、このため大量のはんだを使用します。
結果的に、大量のはんだを常に確保することが必要となり、実装工程における材料費の割合が大きく反映するためフローはんだの低コスト化がクローズアップされてきました。低銀はんだの場合、Sn-3Ag-0.5Cuに対して約3割の材料費低減につながります。
スルーホール上がり比較(はんだ槽設定温度255℃)

リフロー工法における低銀ペースト
SMTにおける低銀化は、その溶融性を重視する必要があります。Sn-3Ag-0.5Cuと比べて、融点の高いSn-Cu系、Sn-0.3Ag-0.7Cuは、従来の設定温度では未溶融を引き起こす危険があり、リフロー性と耐熱温度
との兼ね合いで条件の管理マージンが厳しくなるため、十分に低銀溶融性を確保できるM771を推奨します。

リフローピーク227℃加熱での溶融状態


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